プロレズ(ProRes)とプロキシ(Proxy)の違いを解説

プロレズ(ProRes)とプロキシ(Proxy)は、動画編集において重要な役割を果たす概念ですが、その目的と用途は大きく異なります。

プロレズ(ProRes)

ProResは、Appleが開発した高品質な動画圧縮コーデックです。主な特徴は以下の通りです:

  • 高画質を維持しながらファイルサイズを抑える
  • 可変ビットレート(VBR)エンコーディングを使用
  • 編集作業に適した性能を持つ
  • SD、HD、2K、4K、5Kなど様々な解像度に対応

ProResには複数のバリエーションがあり、用途に応じて選択できます:

  1. ProRes 422 Proxy (45Mbps): 仮編集やオフライン編集向け
  2. ProRes 422 LT (102Mbps): ニュースやスポーツなど、ファイルサイズ縮小が必要な場合
  3. ProRes 422 (147Mbps): 標準的な用途
  4. ProRes 422 HQ (220Mbps): 高品質が求められる場合
  5. ProRes 4444: アルファチャンネルを含む高品質な映像向け
  6. ProRes 4444 XQ: 最高品質の映像向け

プロキシ(Proxy)

一方、プロキシ(Proxy)は「代理」を意味し、動画編集において元の高解像度ファイルの代わりに使用する低解像度ファイルを指します。主な特徴は:

  • 元の動画ファイルと紐づけられている
  • 編集作業中のみ使用し、最終的なレンダリングには元ファイルを使用
  • PCの負荷を軽減し、スムーズな編集作業を可能にする

主な違い

  1. 目的:
    • ProRes: 高品質な映像を維持しながら効率的に編集・保存すること
    • Proxy: 編集作業を軽量化し、スムーズな操作を実現すること
  2. 画質:
    • ProRes: 高画質を維持
    • Proxy: 元ファイルより低画質(例:4K→720p)
  3. ファイルサイズ:
    • ProRes: 非圧縮ファイルより小さいが、一般的な圧縮形式より大きい
    • Proxy: 元ファイルよりも大幅に小さい(例:998.54MB→29.95MB)
  4. 使用タイミング:
    • ProRes: 撮影時や最終出力時に使用
    • Proxy: 編集作業中のみ使用
  5. バリエーション:
    • ProRes: 複数の品質レベルが存在
    • Proxy: 通常は1種類(低解像度版)

まとめ

ProResは高品質な映像制作のためのコーデックであり、Proxyは編集作業を効率化するための手法です。ProResは最終的な出力品質に関わる重要な選択となりますが、Proxyは作業効率を上げるための一時的な手段です。両者を適切に使い分けることで、高品質な映像制作と効率的な編集作業の両立が可能となります。

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