DIMMとUDIMMの違いについて
コンピュータのメモリ拡張において、DIMMとUDIMMは重要な役割を果たしています。これらの違いを理解することで、適切なメモリ選択が可能になります。以下では、DIMMとUDIMMの概要、そしてそれらの違いについて詳しく解説します。
DIMMとは
DIMM(Dual Inline Memory Module)は、コンピュータの主記憶として広く使用されているメモリモジュールの規格です。DIMMは複数のDRAMチップをプリント基板上に搭載しており、コンピュータのメインメモリを増設するための標準的な方法となっています。
DIMMの名称は「dual inline memory module」の頭文字に由来し、従来のSIMM(Single Inline Memory Module)に代わって普及しました。DIMMの特徴として、表裏の対向する端子に異なる信号が出ていることが挙げられます。
DIMMは主に3種類に分類されます:
- Unbuffered DIMM (UDIMM)
- Buffered (Registered) DIMM
- Fully Buffered DIMM (FB-DIMM)
これらの種類は、インターフェースが異なり、規格上の互換性はありません。
UDIMMとは
UDIMM(Unbuffered DIMM)は、DIMMの一種で、最も一般的に使用されているメモリモジュールの形態です。UDIMMの特徴は以下の通りです:
- チップセットからのアドレス、制御、データ信号が直接DIMM基板上のSDRAMチップに分配接続される。
- 伝送路の途中に介在物がないため、実効転送速度に優れている。
- コスト面で有利。
- パーソナルコンピュータのほとんどで使用されている。
UDIMMは、アドレスと制御信号が全モジュール上の全てのSDRAMチップに分配されるため、駆動側の電流負荷が大きくなります。そのため、1つのチャンネルあたりに接続できるモジュール数は通常3-4枚に制限されています。
DIMMとUDIMMの違い
DIMMとUDIMMの主な違いは、その構造と用途にあります:
- 構造の違い:
- DIMM:DIMMは総称であり、UDIMM、Buffered DIMM、FB-DIMMを含む。
- UDIMM:DIMMの一種で、バッファを持たない構造。
- 信号処理:
- DIMM:種類によって異なる(UDIMMは直接、Buffered DIMMはバッファ経由)。
- UDIMM:チップセットからの信号が直接SDRAMチップに送られる。
- 性能:
- DIMM:種類によって異なる。
- UDIMM:伝送路に介在物がないため、高速な転送速度を実現。
- 接続可能なモジュール数:
- DIMM:種類によって異なる(UDIMMは少なく、Buffered DIMMは多い)。
- UDIMM:1チャンネルあたり通常3-4枚まで。
- コスト:
- DIMM:種類によって異なる。
- UDIMM:比較的安価。
- 用途:
- DIMM:コンピュータの種類や用途に応じて選択される。
- UDIMM:主にパーソナルコンピュータで使用。
- 電気的負荷:
- DIMM:種類によって異なる。
- UDIMM:駆動側の電流負荷が大きい。
- 互換性:
- DIMM:種類間での互換性はない。
- UDIMM:同じUDIMM規格内では概ね上位互換性がある。
まとめ
DIMMはコンピュータのメインメモリを拡張するための規格であり、UDIMMはその一種です。UDIMMは直接信号を処理する構造を持ち、高速な転送速度と比較的低いコストが特徴です。一方で、接続可能なモジュール数に制限があります。
DIMMの他の種類(Buffered DIMMやFB-DIMM)は、より多くのモジュールを接続できる一方で、転送速度やコストの面でトレードオフがあります。
コンピュータのメモリを選択する際は、使用目的や必要な性能、コスト等を考慮し、適切なタイプのDIMMを選ぶことが重要です。パーソナルコンピュータの場合、多くはUDIMMが適していますが、大容量のメモリが必要なサーバーなどでは他のタイプのDIMMが選択されることがあります。
メモリ技術は常に進化しており、新しい規格や改良版が登場する可能性があります。そのため、最新の情報を確認し、自身のニーズに最も適したメモリを選択することが大切です。