DVI-DとDisplayPortの違いを解説

DVI-DとDisplayPortはどちらもデジタル映像信号を伝送するインターフェースですが、 仕様や用途に違いがあります。 本記事では、これら2つの規格の特徴と違いについて詳しく解説します。

DVI-Dとは

DVI-D(Digital Visual Interface-Digital)は、デジタル映像信号のみを伝送するインターフェース規格です。DVI規格の一種で、2000年頃から普及し始めました。

DVI-Dの主な特徴は以下の通りです:

  • デジタル信号専用:アナログ信号には対応していません。
  • 解像度:シングルリンクでWUXGA(1920×1200)まで、デュアルリンクでWQXGA(2560×1600)までの解像度に対応。
  • コネクタ:18ピン(シングルリンク)または24ピン(デュアルリンク)のコネクタを使用。
  • TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)という伝送方式を採用。

DVI-Dは、従来のアナログVGA端子に比べてノイズの影響を受けにくく、高画質な映像伝送が可能です。

DisplayPortとは

DisplayPortは、2006年にVESA(Video Electronics Standards Association)によって策定された比較的新しいデジタル映像・音声インターフェース規格です。

DisplayPortの主な特徴は以下の通りです:

  • 高解像度対応:最新のバージョンでは8K解像度まで対応。
  • 高リフレッシュレート:高フレームレートディスプレイにも対応。
  • オーディオ伝送:映像信号と同時に最大8チャンネルの音声信号も伝送可能。
  • データ伝送:映像・音声以外のデータ伝送も可能。
  • デイジーチェーン接続:複数のディスプレイを1つのケーブルで接続可能。
  • 小型コネクタ:標準サイズと小型のMini DisplayPortがある。

DVI-DとDisplayPortの違い

DVI-DとDisplayPortには、以下のような違いがあります:

  1. 対応解像度
    • DVI-D:最大2560×1600(デュアルリンク)
    • DisplayPort:最新バージョンで8K対応
  2. 音声伝送
    • DVI-D:映像信号のみ
    • DisplayPort:映像と音声を同時伝送可能
  3. 帯域幅
    • DVI-D:最大7.92 Gbps(デュアルリンク)
    • DisplayPort:最新バージョンで最大77.37 Gbps
  4. コネクタサイズ
    • DVI-D:比較的大きく、ノートPCには不向き
    • DisplayPort:標準サイズと小型のMini DisplayPortがあり、ノートPCにも搭載可能
  5. デイジーチェーン接続
    • DVI-D:不可
    • DisplayPort:可能
  6. 電源供給
    • DVI-D:不可
    • DisplayPort:一部の機器で可能(USB Type-Cと併用)
  7. 普及状況
    • DVI-D:やや古い規格で、新しい機器では減少傾向
    • DisplayPort:最新の高性能ディスプレイやグラフィックカードで採用が増加
  8. 互換性
    • DVI-D:HDMIとの互換性あり(変換アダプタで対応可能)
    • DisplayPort:専用の変換アダプタでHDMIやDVIに変換可能

まとめ

DVI-DとDisplayPortは、どちらもデジタル映像伝送に優れたインターフェースですが、DisplayPortの方がより高性能で多機能です。DVI-Dは古くからある規格で、多くの機器との互換性がありますが、最新の高解像度ディスプレイには対応できない場合があります。

一方、DisplayPortは高解像度、高リフレッシュレート、音声伝送、デイジーチェーン接続など、より多くの機能を備えています。最新のグラフィックカードやハイエンドモニターでは、DisplayPortが主流になりつつあります。

ただし、既存の機器との互換性や用途によっては、DVI-Dが適している場合もあります。機器の仕様や使用目的に応じて、適切なインターフェースを選択することが重要です。

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