パスマークとベンチマークの違いとは?
パソコンの性能を数値化して比較する方法として、パスマークとベンチマークという言葉をよく耳にします。これらは似ているようで異なる概念です。本記事では、パスマークとベンチマークの違いについて、初心者にもわかりやすく解説していきます。
パスマークとは
パスマーク(PassMark)は、オーストラリアのPassMark Software社が提供するベンチマークソフトウェアおよびサービスの名称です。PassMark社は、世界最大のCPUベンチマークサイト(cpubenchmark.net)を運営しており、3500種類以上のCPUのベンチマークスコアを無料で公開しています。
パスマークの主な特徴は以下の通りです:
- CPU、GPU、メモリ、ストレージなど、様々なパーツの性能を数値化
- Webサイトで簡単に各パーツの性能比較が可能
- 有料の総合ベンチマークソフト「PerformanceTest」も提供
パスマークのスコアは、CPUの場合「CPU Mark」、GPUの場合「G3D Mark」という単位で表されます。例えば、CPU Mark 7,000以上であれば、一般的なオフィス作業やWeb会議、基幹システムの利用など、業務用途で問題なく使用できるレベルとされています。
ベンチマークとは
ベンチマークは、コンピュータシステムのハードウェアやソフトウェアの性能を示すための指標を意味します。ベンチマークには以下の3つの要素があります:
- ベンチマークテスト:性能を測定するためのテスト
- ベンチマークスコア:測定された結果の数値
- ベンチマークソフト:測定に使用する専用プログラムやWebツール
ベンチマークは、特定のパーツ(CPU、GPU、メモリなど)の性能を測定するものや、コンピュータ全体の処理性能を測定するものがあります。ベンチマークを利用することで、異なるハードウェアやソフトウェアの性能を客観的に比較することができます。
パスマークとベンチマークの違い
パスマークとベンチマークの主な違いは以下の通りです:
- 範囲
- パスマーク:PassMark Software社が提供する特定のベンチマークサービス
- ベンチマーク:コンピュータ性能測定の一般的な概念
- 提供元
- パスマーク:PassMark Software社のみ
- ベンチマーク:様々な企業や組織が独自のベンチマークを提供
- 測定対象
- パスマーク:主にCPUとGPUに特化
- ベンチマーク:CPU、GPU以外にも、ストレージ、メモリ、ネットワークなど多岐にわたる
- スコアの単位
- パスマーク:CPU Markなど、独自の単位を使用
- ベンチマーク:提供元によって異なる単位や指標を使用
- 利用方法
- パスマーク:主にWebサイトでの比較や有料ソフトウェアを使用
- ベンチマーク:無料/有料のソフトウェア、オンラインツール、専用ハードウェアなど様々
- データの更新頻度
- パスマーク:定期的に更新され、最新のハードウェアにも対応
- ベンチマーク:提供元によって更新頻度が異なる
パスマークは、ベンチマークの一種であり、特定の企業が提供するサービスです。一方、ベンチマークは、コンピュータの性能測定に関する広範な概念を指します。パスマークは、特にCPUとGPUの性能比較に特化しており、Webサイトで簡単に利用できる点が特徴です。
まとめ
パスマークとベンチマークは、どちらもコンピュータの性能を数値化して比較するためのツールですが、その範囲と特性に違いがあります。パスマークは特定の企業が提供する専門的なサービスであり、主にCPUとGPUの性能比較に特化しています。一方、ベンチマークは、コンピュータ性能測定の一般的な概念であり、様々な企業や組織が独自のベンチマークを提供しています。
パソコンの購入を検討する際や、自分のパソコンの性能を客観的に評価したい場合には、パスマークを含む複数のベンチマークを参考にすることをおすすめします。ただし、ベンチマークスコアはあくまでも参考値であり、実際の使用感とは異なる場合があることに注意が必要です。最終的には、自分の用途に合わせて総合的に判断することが重要です。