らくらくスタートボタンとWPSの違いを解説
Wi-Fi接続を簡単に行うための機能として、 「らくらくスタートボタン」と「WPS」があります。 これらは一見似ているように見えますが、実は異なる仕組みを持っています。本記事では、らくらくスタートボタンとWPSの違いについて詳しく解説します。
らくらくスタートボタンとは
らくらくスタートボタンは、NECが開発したWi-Fi接続を簡単に行うための機能です。この機能を搭載したNEC製のWi-Fiルーターやアクセスポイントに搭載されています。
らくらくスタートボタンの主な特徴は以下の通りです:
- NEC独自の技術を使用
- NECのWi-Fi機器専用の機能
- ボタンを押すだけで簡単にWi-Fi接続が可能
- セキュリティ設定も自動で行われる
らくらくスタートボタンを使用するには、Wi-Fiルーター側とクライアント機器(パソコンやスマートフォンなど)の両方がこの機能に対応している必要があります。対応機器同士であれば、ボタンを押すだけでSSIDやパスワードの入力なしにWi-Fi接続を確立できます。
WPSとは
WPS(Wi-Fi Protected Setup)は、Wi-Fi Allianceという業界団体が策定した、Wi-Fi接続を簡単に行うための規格です。WPSは多くのメーカーの機器で採用されており、業界標準の技術となっています。
WPSの主な特徴は以下の通りです:
- 業界標準の技術
- 多くのメーカーの機器で採用されている
- ボタンを押すだけで簡単にWi-Fi接続が可能
- セキュリティ設定も自動で行われる
WPSを使用するには、Wi-Fiルーターとクライアント機器の両方がWPSに対応している必要があります。対応機器同士であれば、メーカーが異なる機器同士でも接続が可能です。
WPSの接続手順は以下のようになります:
- クライアント機器でWPS接続を選択
- Wi-FiルーターのWPSボタンを押す
- 自動的に接続が確立される
らくらくスタートボタンとWPSの違い
らくらくスタートボタンとWPSは、どちらもボタンを押すだけでWi-Fi接続を簡単に行える機能ですが、いくつかの重要な違いがあります。
- 開発元と対応機器
- らくらくスタートボタン:NECが独自に開発した技術で、NEC製の機器でのみ使用可能
- WPS:Wi-Fi Allianceが策定した業界標準規格で、多くのメーカーの機器で使用可能
- 互換性
- らくらくスタートボタン:NEC製の機器同士でのみ使用可能
- WPS:異なるメーカーの機器間でも使用可能
- 普及度
- らくらくスタートボタン:NEC製品ユーザーに限定
- WPS:幅広い機器で採用されており、より一般的
- セキュリティ
- らくらくスタートボタン:NEC独自の暗号化方式を使用
- WPS:業界標準のセキュリティプロトコルを使用
- 接続手順
- らくらくスタートボタン:NEC製品特有の手順に従う必要がある
- WPS:一般的な手順で接続可能
- 対応機器の範囲
- らくらくスタートボタン:主にNECのWi-Fiルーターとパソコンで使用
- WPS:Wi-Fiルーター、パソコン、プリンター、テレビなど幅広い機器で使用可能
- 機能の拡張性
- らくらくスタートボタン:NECの製品開発に依存
- WPS:業界全体で継続的に改良と拡張が行われている
まとめ
らくらくスタートボタンとWPSは、どちらもWi-Fi接続を簡単に行うための機能ですが、その仕組みと適用範囲に大きな違いがあります。らくらくスタートボタンはNEC製品に特化した機能であるのに対し、WPSは業界標準の技術として幅広い機器で利用できます。
WPSは、異なるメーカーの機器間でも使用できる点や、多くの機器で採用されている点から、より汎用性が高いと言えます。一方、らくらくスタートボタンは、NEC製品ユーザーにとっては使い慣れた便利な機能です。
Wi-Fi接続を簡単に行いたい場合、自身の使用している機器がどちらの機能に対応しているかを確認し、適切な方法を選択することが重要です。特に新しい機器を購入する際は、WPSに対応しているかどうかを確認することで、将来的により多くの機器と簡単に接続できる可能性が高まります。