GTINコードとJANコードの違い:商品識別コード

GTINコードとJANコードは商品を識別するための重要なコードシステムですが、 その範囲と用途に違いがあります。両者の関係を理解することで、商品管理や流通システムをより効果的に活用できます。

GTINコードとは

GTINは「Global Trade Item Number」の略称で、国際的に標準化された商品識別コードの総称です。GTINは以下の4種類のコードを包括しています:

  1. GTIN-13(JANコード標準タイプ):13桁
  2. GTIN-8(JANコード短縮タイプ):8桁
  3. GTIN-12(U.P.C.):12桁(北米で使用)
  4. GTIN-14(集合包装用商品コード):14桁

GTINは、商品の発売元、製造元、輸入元といった商品のブランドオーナーが、企業間で取引が行われる商品単位ごとに、他と重複することなく識別できるように設定します。

JANコードとは

JANコードは「Japanese Article Number」の略称で、日本で使用される商品識別コードです。JANコードは実際にはGTINの一部であり、GTIN-13(標準タイプ)とGTIN-8(短縮タイプ)に相当します。

JANコード(GTIN-13)は以下の3つの要素で構成されます:

  1. GS1事業者コード:9桁、10桁、または7桁の数字
  2. 商品アイテムコード:3桁、2桁、または5桁の数字
  3. チェックデジット:1桁の数字

JANコードは主に一般消費財の分野で、商品の消費者購入単位(単品)を識別するために使用されます。業務用商品では、企業間で流通する最小取引単位を識別するためにも使用されます。

GTINコードとJANコードの違い

  1. 範囲: GTINは国際的な商品識別コードの総称であり、JANコードを含む複数のコードシステムを包括しています。一方、JANコードは日本で主に使用される商品識別コードで、GTINの一部を構成しています。
  2. 種類: GTINには4種類(GTIN-13、GTIN-8、GTIN-12、GTIN-14)がありますが、JANコードはGTIN-13とGTIN-8に相当する2種類のみです。
  3. 用途: GTINは国際的な商品識別に使用され、様々な包装形態や取引単位に対応できます。JANコードは主に日本国内の小売業界で使用され、個別商品の識別に特化しています。
  4. コード体系: GTINは13桁から14桁までの異なる桁数のコードを含みますが、JANコードは基本的に13桁(短縮版は8桁)です。
  5. 適用範囲: GTINは集合包装や不定貫商品にも対応できる柔軟性があります(GTIN-14)。JANコードは主に個別商品の識別に使用されます。

まとめ

GTINコードとJANコードは密接に関連していますが、その範囲と用途に違いがあります。GTINは国際的な商品識別コードの総称であり、JANコードはその一部を構成しています。JANコードは日本の小売業界で広く使用されている一方、GTINはより広範な用途と国際的な標準化を提供しています。

両者を正しく理解し活用することで、国内外での商品管理や流通システムの効率化、国際取引の円滑化が可能となります。今後、グローバル化が進む中で、GTINの重要性がさらに高まると予想されますが、日本国内ではJANコードが引き続き重要な役割を果たすでしょう。

IT基礎知識